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とうとう五十路になりました ~ いなきち

ブランド・ロイヤリティ

X-T1を手に入れてから早10ヶ月。
その間、感心する部分とガッカリする部分の両方があったのですが、毎日使ってきた訳ではないので、まだ使い込んだとは言い切れません。
と言うことで、カメラとしての評価を出すのは早すぎますが、とりあえず今のところ手放す気はさらさらありません。


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【葵区・鷹匠】 FUJIFILM X-T1 / TOUIT 1.8/32 / F1.8 AE(-0.3) / ISO400 / JPEG(VELVIA)


先ほど、手放す気はない、と申しましたが、長所より短所の方が目につくのも事実です。
発色の素晴らしさよりも、使い勝手の悪さが目についてしまうのです。
それについては今まで散々述べてきたので、ここでは割愛しますが、どうもワタクシはカメラに関して、良い点よりも悪い点が気になる性質のようです。
そのためか、手放したカメラはSD15をはじめ数知れず。
もったいない気もするのですが、使う気力が湧かないカメラをいつまでも持っている方がもったいない、と思うのです。


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【草薙】 FUJIFILM X-T1 / TOUIT 1.8/32 / F1.8 AE(+0.7) / ISO400 / JPEG(VELVIA)


ところで、「ブランド・ロイヤリティ」と言う言葉をご存知ですか?
マーケティングに使われる用語ですが、意味は言葉そのまま「ブランドに対する忠誠心」とするのが一般的です。
要するに、「買うのはこのメーカ/ブランドに決めている」と言う姿勢のことなんですが、この言葉を学問的に使う際は、「他に優れた選択肢があるにもかかわらず」と言う条件が付きます。
いわゆる、盲目的、或いは献身的な愛、ですね(笑)


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【草薙】 FUJIFILM X-T1 / TOUIT 1.8/32 / F1.8 AE(+0.3) / ISO400 / JPEG(VELVIA)


あなたが最初に買ったA社のカメラ。
これを大変気に入って、何の不満もなく愛用していた。
2年経つと、他のメーカも揃って次の機種を出す。
世間では、圧倒的に優れた機能を持つB社のカメラが爆発的に売れている。
でもあなたは、当然のようにA社の後継機を手にする。
ま、こんな感じです。


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【葵区・駿府城公園】 FUJIFILM X-T1 / TOUIT 1.8/32 / F1.8 AE / ISO400 / JPEG(VELVIA)


レンズ交換式カメラの場合、レンズ資産の継承と言う大問題がありますから、そうそう他メーカには乗り換えられませんが、まぁ、その話は置いといてください。
ブランド・ロイヤリティを論じる際に大事なのは、一旦形成された愛着や信頼と言うのは、そうそう簡単には崩れないということです。

ここで、もし仮にA社の後継機にちょっとした問題点があったとします。
でも、あなたにブランド・ロイヤリティが形成されていれば、今まで良かったことばかりが強調され、この問題点には目が行きません。
これは「知覚偏向」と呼ばれるもので、既に客観的な判断力を失っていると言ってよろしいでしょう。


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【葵区・春日】 FUJIFILM X-T1 / TOUIT 1.8/32 / F1.8 AE(+0.3) / ISO400 / JPEG(VELVIA)


最初に手に入れたA社のカメラを大変に気に入った・・・
実はここにも盲点がありまして、まだ初心者の頃に手に入れたカメラは、画質など良く分かっていない事もあるでしょう。
操作性についても疑問は湧かず、言われたとおり素直に使っていたでしょう。
つまり、「このカメラは良い。大変気に入った。」と言う最初の評価は、当たり前ながら未熟な己の主観的な評価であって、客観的な評価ではないのです。
でも、一旦気に入ってしまうと、それ以降は「痘痕も靨(あばたもえくぼ)」になってしまいます。


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【葵区・清水寺】 FUJIFILM X-T1 / TOUIT 1.8/32 / F1.8 AE(-0.3) / ISO400 / JPEG(VELVIA)


それでも本人が幸せなので、自分一人の世界で満足している限り、何も問題はありません。
あなたは大喜びしながら、好きなカメラを好きなように使えばよろしい。
ついでに、あなたが好きなカメラのメーカも大喜び。

ただし、自分がブランド・ロイヤリティを持っている、と言うより「感染している」、と言うことは、認識しておいた方がよろしいでしょうね。
ブランド・ロイヤリティが形成されると、好きなブランドを庇護するあまり、他人からその欠点を突かれた場合、非常に攻撃的になる傾向があるのです。


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【葵区・駿府城公園】 FUJIFILM X-T1 / TOUIT 1.8/32 / F1.8 AE / ISO200 / JPEG(VELVIA)


何の話しか、ここへ来てお分かりの方もいらっしゃるでしょう。
ブランド・ロイヤリティに支配された人、どこかでよく見ますねぇ。
そう、価格コムなどの掲示板サイトです。

ある機種にネガティブな意見を書き込むと、とたんにその機種の愛好家から攻撃される。
発信者としては、単に事実、或は事実に基づいた自分の意見を述べただけなのに、頭から全否定される。
その攻撃性は、60年代の学生運動を彷彿とさせます。よく知らないけれど。
ワタクシは幸いにもそのように攻撃されたことはありませんが、何かにつけ実際に目にすることが多く、そのたびに嫌な気持ちになります。

別にブランド志向が強いことを否定しているわけではありません。
ワタクシにだって、好きで信頼しているメーカやブランドはありますから。
ただし、自分と趣味を同じくしない人を、理由なしに攻撃してはいけません。

「理由はある。一方的にネガキャンを仕掛けた方が悪いのだ。」ですって?
だ・か・ら・ね、ブランド・ロイヤリティのせいで、あなたにはネガキャンに聞こえてしまうだけなのですよ。


ブランド・ロイヤリティ_e0308416_17300070.jpg
【葵区・追手町】 FUJIFILM X-T1 / TOUIT 1.8/32 / F6.4 AE(+0.3) / ISO200 / JPEG(VELVIA)


もう一つ、身近な例を挙げましょう。
それは、あなたの奥様や旦那様。

あんなに恋い焦がれ、親の反対を押し切り、すったもんだの末に結婚したのに、五年も経てば「あばたもえくぼ」どころか、ちょっとした仕草にもイラッととする始末・・・
あんなに好きだったのに、何故ブランド・ロイヤリティが形成されなかったのでしょうか。

それはね、ワタクシやあなたの傍にいる人は、「ブランド」じゃないからなのですよ~。
ひひひ。



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旧ブログ「私、ボケたくございません。」はこちら → http://minarai39.blog112.fc2.com/
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by inakichi88 | 2015-02-19 17:49 | 葵区散歩
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