とうとう五十路になりました ~ いなきち

がっかりなファームアップ

がっかり、と言うか、やっぱり、と言うべきか・・・
先日公開された X-T1 の新ファームウェアに対するワタクシの感想です。

先に申し上げておきますが、ワタクシの場合、X-T1 で動体撮影は行うつもりはなく、AF-C の追従性とか AF モードの追加などには、それほど興味がありません。
確かに、ホバリングしているチョウにピントが合い続ければ良いなぁとは思いますが、恐らく現状の FUJI、と言うかミラーレス機の AF 技術では、それは儚い夢だと感じています。

今回、FUJI 純正のマクロレンズを買ったのは、旧ファームでは無理と判断した手持ちマクロが、新ファームで可能になったのではないかと言う期待からのことです。
このあたりのことは今までのブログ記事で散々述べてきたので詳細は省きますが、なぜ旧ファームで手持ちマクロが無理なのかを要約すると、

 ・AF は中抜けが頻発する。
 ・MF では、拡大モードでピントを合わせても、シャッタ半押しで通常モードに戻るため、その間にピントがずれる。(半押ししても拡大表示を維持するモードは無し)
 ・通常表示での MF は、被写体のコントラストや撮影距離によって、ピント合わせが不可能な場合が多い。
 ・シャッタを押してから実際にシャッタが切れるまでの時間が長く、その間にピントがずれる。メカシャッタだと「ガチャン」ではなく、「ガッチャン」と言う感じで間が空く。

と言ったところでしょうか。

要するに、MF は上記の理由から難しいので、AF が実用的にならないと手持ちマクロは無理だろうという判断だったのです。
そこで、今回のファームアップで AF 精度が改善されれば、そこそこ撮る気にはなるかな、と言う期待があったのですが・・・
これがまぁ、見事に裏切られちゃいました(涙)


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【葵区・春日】 FUJIFILM X-T1 / XF 60mm F2.4 R MACRO / F2.8 AE / ISO200 / JPEG(VELVIA)

上の花は、電子シャッタで5枚撮って1枚もピントがシベに来ませんでした。
シベは大きく、十分なコントラストがあるはずですが・・・
ちなみに、AF エリアの大きさを変えてもダメでした。


e0308416_15425314.jpg
【草薙】 FUJIFILM X-T1 / XF 60mm F2.4 R MACRO / F4 AE(-0.3) / ISO200 / JPEG(VELVIA)

この花はシベと花びらのコントラストが低くて、シベにはピンが来ないかもしれないと思って撮ってみましたが、12枚撮って2枚(甘めに見れば3枚)の合焦率。( AF エリアの大きさは中/電子シャッタ)
実は、意外と健闘している・・・のか?


e0308416_15425433.jpg
【葵区・春日】 FUJIFILM X-T1 / XF 60mm F2.4 R MACRO / F2.4 AE(-0.3) / ISO200 / JPEG(VELVIA)

●上の拡大画像
e0308416_15425432.jpg
訳が分からなかったのがこのボルトを写したカット。
AF エリアの大きさは中で、ボルトの先端にピントを当てたつもりですが、明らかにAFエリア外にあるボルトの側面(根元?)にピンが来ています。
一番上の写真も同様で、中抜けとはまた違った不思議な現象ですが、旧ファームでも頻発していました。

これについては、もしかしたら手ブレ・体ブレが原因かもしれませんね。
AF 測距のタイミングで、手ブレのせいで一瞬 AF エリアの位置がずれた、と言うことは可能性としてはあるかもしれません。
しかし、4カット撮ってその全てがこのようなピンずれ・・・普通では考えにくいことですねぇ。
また、ピンがどこにも来ていないカットがありました。(もしかして、微細な手ブレ?)



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【長崎】 FUJIFILM X-T1 / XF 60mm F2.4 R MACRO / F2.8 AE(-1.0) / ISO200 / JPEG(PROVIA)

●上の拡大画像
e0308416_15425566.jpg
今回、一番最初に撮ったのがこの写真。
このような構図で撮る街角の花が、ワタクシの好みです。
ご覧の通り、ピントが手前の花びらでなく花柄に持って行かれています。
これは何枚撮ってもダメでした。

あ~あ、やっぱりなぁ。
確かに花柄の方がコントラストが強いとは言え、新ファームのアナウンスで「AF エリア内のより近い方へピントを当てる」みたいなこと、書いてあったでしょ?
それに、今までよりコントラストの低い部分も検出できる、とも書いてあったよねぇ。

ファームアップに対するほのかな期待が崩れ落ちた瞬間です(涙)


e0308416_15425300.jpg
【楠】 FUJIFILM X-T1 / XF 60mm F2.4 R MACRO / F2.8 AE / ISO200 / JPEG(VELVIA)

●上の拡大画像
e0308416_15425372.jpg
こちらは、3枚撮ってじゃスピンが得られました。
このように、せめて3枚撮れば1枚はジャスピンであって欲しいものです


と、ここにきてふと思ったことが。

この2カットでは、ワタクシがピントを当てたい場所が違います。
もし1枚目がワタクシの希望する花びらにピントが当たるようになったら、もしかしたら2枚目も手前の黄色い爪みたいな所に当たってしまうかも・・・

なるほどねぇ。
結局は良し悪しの問題かもしれませんね。
ただし、マクロ撮影では、より手前の部分にピントを当てたい場合がほとんどなんですけどね。


e0308416_15491692.jpg
【葵区・春日】 FUJIFILM X-T1 / XF 60mm F2.4 R MACRO / F2.4 AE(+0.3) / ISO200 / JPEG(VELVIA)

●上の拡大画像
e0308416_15491620.jpg
あまりに AF の歩留まりが悪いので、MF で撮ってみました。
とてもジャスピンとは言えませんが、これでも3枚撮った中のベストカット。
他の2枚はピントが大きくずれていました。

こればっかりはワタクシの技術的な問題もありますけど、最初に書いた理由から、少なくとも今のままでは毎回 MF で撮る気はしませんね。

ワタクシが MF を使う気になるには、シャッタ半押しでも拡大表示がキャンセルされないことが実現されてからのお話しです。
これが通信不能レンズだと、あえて AF モードで使うことにより、シャッタを半押ししても拡大表示が維持されます。
・・・こっちの方がよっぽど MF で使いやすいじゃん(笑)
まぁ、拡大表示のままでは、構図がずれやすいですけどね~。

それから、やはり手ぶれ補正は必要です。
手ぶれ補正がないと構図が安定しないし、もしかしたら AF 精度がちっとも良くなったと感じないのも、微細な手ブレが原因かもしれませんね。


と言うことで、純正マクロレンズに関しては、ご覧の通り素晴らしい写りではあるものの、X-T1 での手持ちマクロ撮影には、新ファームをもってしてもネガティブな印象しか持てませんでした。
まぁ、もう少し追求してみますけどね。


e0308416_15425408.jpg
【草薙】 FUJIFILM X-T1 / XF 60mm F2.4 R MACRO / F2.4 AE(+0.3) / ISO200 / JPEG(PROVIA)


ところで、今回のファームアップで、AF-C 関連の機能向上がどの程度上がったかについて、ネット上で流れる情報が驚くほど少ないことに気が付いている方も多いと思います。
他機種でこのような大がかりな機能改善があったならば、今頃相当な情報が行きかっていると思います。
もちろん、その中身は玉石混交でしょうが、それにしても今回は情報自体が少ない。少なすぎます。

これはワタクシの邪推ですが、ほとんどの方が新ファームの有効性を明確に確認できなくて戸惑っているのではないでしょうか。
あれ?ファームアップしてもこんなもんかぁ?・・・もしかしたら自分の腕がないせいかも・・・声を上げるのは、とりあえず他の人の評価を聞いてからにしよう・・・そんな感じでしょうか。

実はワタクシも、旧ファームでも AF がとても速いXF 50-140 を使い、走ってくる電車で AF-C+トラッキングを試しました。
今までこのような被写体を撮ったことはないので、新旧ファームで比較のしようがなく、あえて記事にするつもりはありませんが、率直な感想としては「へ~、この程度なの?」と言う感じでした。

ワタクシは動体を撮ることに関しては全く不慣れで、人様以下の技量しかありません。
でも、FUJI が相当な費用をかけ、わざわざ新ファームのために作った力の入ったホームページを見たとき、「これは相当期待できるのでは?」とか、「ワタクシのような素人でも、動きものを撮ることができるのでは?」とか、 「AF、相当早くなるんだろうなぁ」とか、「マクロ域でもジャスピンが得られるのでは?」などと、半信半疑ながらも期待しましたよ。
ま、本当のことを言うと、PR 動画中でトラッキング機能の実例として、早い電車でなく遅~い SL が走ってくるのを見て、こりゃ期待できないんじゃないかと不安になりましたけどね(笑)

それはさておき、X-T1 を愛する皆さんの期待値は、ワタクシ以上に相当高かったと思います。
それに見合う結果が得られたか・・・全くの私見ながら、皆さん、微妙だと感じてらっしゃるんじゃないでしょうか。
それ故、情報を発信できない、と。


今回のファームアップは、AF の機能「強化」が目玉だったのでしょうが、それほど機能「改善」を実感できず、機能「追加」ばかりが目立った結果になっていると感じています。
機能改善があった上での機能追加。
そうあって欲しかった、そうでなければ意味がない、と思うのは、果たしてワタクシだけでしょうか。

それから、FUJIFILM さん。
あんな手の込んだ動画を作らないで、さらりとファームアップをしていたら、期待値が低い分、今頃は賞賛されていたかもしれませんよ~。
もし現時点で技術的限界を感じているならば、あの動画はやりすぎ、立派すぎ、でしたね。。。



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by inakichi88 | 2015-07-07 16:12 | 路傍の花 | Comments(12)
Commented by slowhanded at 2015-07-07 21:22
普段D4という高性能AFを備えた機種を使っておられると
なおのことミラーレスのAFには不満が募るのでしょうね。
ことさらAF向上ファームと言われれば期待が高まるのも
これまた当然かと。(;・∀・)

いなきちさんもよくご存じですが、αのAFに慣れている
slowからすると体感できたりして。(爆)
Commented by mjiiji_hbaaba at 2015-07-07 21:30
まだまだメーカーの成熟度が足りないということでしょうか

こういう世界は、単に技術力だけではない部分もありますよね
ある家電の大御所、開発の方向性が気に入りにそれに技術力も伴った製品が出てくるので、一時期その家電品オンパレードになりましたが、そのうち、おや?なんかずれてるぞ?使用者のことあまり考えてないのか?というようになり、見切ってしまいました
どのメーカーにもそういうのはあると思いますが、ぞういうズレにいつまでも気がつかないとだんだん使用者は離れていってしまいますよね

こういうソフト的な分野は富士は苦手ということでしょうか。とすると、いつまでたっても改善はされないかもしれませんね。人材を引き抜くとかしないと(笑)
Commented at 2015-07-07 21:44
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by inakichi88 at 2015-07-07 22:33
slowさん、こんばんは。
D4と比較・・・しないつもりでも、基準がそこにあるので、どうしてもしちゃいます(笑)
αのことは・・・もう忘れちゃいました(爆)

ワタクシとしましては、FUJI のファームアップ告知が大仰すぎて、そこがやり過ぎだと言いたいのです。
ご覧になっていないかも知れませんが、凄い力の入れ方で、その結果がこれかよぉ、と。
ホント、あれさえなければ良かったのになぁ。

それと、やっぱりD4さえ無ければ・・・ってことで(笑)
Commented by inakichi88 at 2015-07-07 22:35
mjiiji_hbaabaさん、こんばんは。

まぁ、FUJIとしては精一杯頑張ったんだとは思いますが、期待度が高すぎたせいでガッカリしています。
結局、現状の像面位相差AFに技術的なブレイクスルーがないと、期待する方が間違っているように感じます。
Commented at 2015-07-07 23:25
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented at 2015-07-08 09:41
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by kame3z at 2015-07-09 00:23
ファームアップには、あまり期待し過ぎるとガッカリしますね !
例外は、最近のE-M1アップデートかなぁ〜
機能が追加されるアップデートは、今まで殆ど経験がありません。
あれがE-M1の価値を高めていると思います。
メーカーは、もう少し真剣に対応して欲しいですね !
Commented by greenfiddler at 2015-07-09 15:31 x
これ(ボルトと紫の花)、
花の輪郭にピントが行っちゃってるんじゃないでしょうか??
一番コントラストが高いのが花の輪郭vs背景なので、
そこにピンが抜けちゃってるということでは。
僕の今まで使ったことのあるコントラスト式AFのコンデジでは割りと普通です。
もちろんX-E2でも。
Commented by Hiro Clover at 2015-07-09 15:46 x
今回のX-T1のファームアップ、凄そうだなぁと思っていましたが、期待はずれでしたか。(^_^;)
AFスピードに関してはレンズの影響が大きそうですが、精度が問題となると困りますね。
シャッター半押しで拡大が解除されるのも使い難そうです。
E-M1ではどちらか選べますし、スーパースポットAFで、拡大画面のさらに中央部分のみをAFするモードがあるんですよね。

画質は文句なしに良さそうなので、撮影時の使い易さ、機能改善を頑張って欲しいですね。
Commented by inakichi88 at 2015-07-10 12:05
greenfiddlerさん、

やはりコントラストAFだと、どうしてもピントが輪郭に持って行かれます。
ただ、明らかにAFエリアの外に合焦するのがわからないんです。
それに、X-T1は像面位相差も積んでいるので・・・
実際の撮影は、コントラストAFか像面位相差のどちらが作動したかは、分かりにくいんですけどね~。
Commented by inakichi88 at 2015-07-10 12:07
Hiro Cloverさん、こんにちは。
ワタクシにとっては、残念ながらイマイチな結果でした。
FUJIの宣伝がすごく、それに引きずられるように前評判、と言うか期待値が上々だったので、がっかりしている方も多いかと思います。

E-M1と比べて、どちらがAF性能が良いのかわかりませんが、少なくとも操作性については、E-M1の方がかゆいところに手が届いていると思います。
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