とうとう五十路になりました ~ いなきち | |||||
※文中の一部表現を変更しました。(2015.03.07) カメラを持ってブラブラ散歩をしていると、時々面倒くさい人に声をかけられます。 その場合、大抵はおじい様。 そりゃそうです。 真っ昼間、巴川沿いをのんびり散歩している人なんて、ジジババしかおらんのですからして。 いえ、別に話しかけられるのは良いのです。 と言うか、話し好きなワタクシにとっては大歓迎。 10分ほどならば、喜んで昔話のお相手を務めましょう。 でもですね、写真に関する自慢話が始まっちゃったら、途端に腰が引けてしまいます。 先日も、そんなジジイ、もとい、おじいさんに出会いました。 土手沿いで腰を下ろしてホトケノザを狙っていたワタクシ。 レンズを指さして、 「何ミリ?」 と訪ねられたのが始まりでした。 「150ミリのマクロレンズです。」 と答えたのに続けて、 「でもセンサーサイズが小さいから、200ミリ以上の画角になります。」 と、ついつい付け足したのが間違いの始まり。 おじいさんは、 「???・・・」 ワタクシ 「フィルムで言うと、ハーフ版みたいな感じです。オリンパスのPENとかの・・・」 おじいさん 「あぁ、PENね~。懐かしいね、現像代けちってた貧乏人のカメラ。」 ワタクシ(の心の中) 「ほっとけ!」 おじいさん 「昔は良かったねぇ。デジタルだか何だか知らないけどさ、今のカメラからは、情緒ってのが感じられないよね。」 ・・・嫌な予感です。 「昔はさぁ、オートなんて無かったから、一生懸命、腕を磨いたもんだ。」 ・・・いや~、始まっちゃいましたよ。 じいさん 「オリンパスと言えば、OM-3っての知ってる?」 ワタクシ 「ええ。良いカメラですね~。」 (心の中) 「じいさん、ブルジョアだったのね」 じいさん 「あれで色々なところへ行って撮ったもんだ。35mm一本でさ。」 (心の中) 「オートを馬鹿にしてるけど、OM-3って露出計付いてたじゃん。」 ワタクシ 「35mmって、ひょっとして F2 の方?」 じいさん 「うん。」 (心の中) 「F2.8 じゃなくて F2 ねぇ。な~んか、ムカついてきたぞ。」 じいさん 「だいたいね、今のカメラなんてダメだよ。機械が勝手に撮ってくれるんだろう?」 ワタクシ 「いや~、さすがにシャッタは指で押しますけどね(苦笑)」 じいさん 「ははは。でもね、写真は指じゃなくて、心でシャッタを押すんだよ。」 (心の中) 「プッツ~ン」(←何かがはじけた音) じいさん 「自分の感性で被写体を捉え、心でシャッタを押す。そっとね。」 (心の中) 「バリバリバリ」(←何かが裂けた音) ワタクシ 「いや~、けだし名言。さすがに年季が入ってる人は違いますねぇ。」 じじい 「いやね、昔はこれでもプロの写真家を目指してたんだ。」 「でも、仕事辞める訳にはいかなくてさぁ。」 「やっぱり責任ある立場だと、自分の夢だけ追いかけるってわけにはいかないだろ?」 「で、結局、写真家は諦めたんだけどね。」 ワタクシ 「そりゃあ、残念でしたねぇ。」 「でも、まだお元気なんですから、もう一度写真、始められたらどうですか?」 じじい 「元気そうに見えるけど、もう体はボロボロさ。」 「歳には勝てないよ。」 ワタクシ 「でも、今のカメラは軽いんですよ~。ほら」(と言って、X-T1を差し出す) じじい 「いやさ、右手の神経いかれちゃって、シャッタ押せないのさ。」 (心の声) 「ふ~ん・・・」 ワタクシ 「やっぱり、シャッタ押すのは指ですもんねっ!」 以上、全て実話でございます。 ちょっと言い過ぎましたかねぇ・・・ 若干、後味が悪ぅございました。 ***************************************************************** 旧ブログ「私、ボケたくございません。」はこちら → http://minarai39.blog112.fc2.com/ *****************************************************************
by inakichi88
| 2015-03-05 23:40
| 路傍の花
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