とうとう五十路になりました ~ いなきち

ホトケノザをフラッシュで

ワタクシの大好きな花、ホトケノザ。
毎年、写真に撮るのが楽しみですし、この花を見かけるようになると、春間近、と感じます。
この時期はまだ、つぼみの花も多いのですが、昨日の日曜日、待ちきれずに撮影を楽しんできました。

今回の記事は、小さな花を絞り込みフラッシュを併用して撮る場合のちょっとしたコツを、少々長くなりますが、フラッシュ初心者の方に説明したいと思います。

※以下の説明は、フラッシュはTTL調光を使用し、絞り・シャッター速度・ISO感度を全てマニュアルで設定する場合を前提にしています。

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ホトケノザを撮る場合、ワタクシはフラッシュを多用します。
小さな花をなるべく詳細に撮るために、かなり絞ることが多いので、たとえ晴天下でもフラッシュが頼りです。
ところが、何も考えずに撮ると、「いかにもフラッシュ焚きました」と言った不自然な描写になりがちで、いくらかのコツ、と言うかお作法が必要になってきます。
私自身、フラッシュマスターへは途半ばどころか四分の一の身ですが、毎年試行錯誤をしながらホトケノザを撮っている中で得た経験を、今からお話ししたいと思います。


フルサイズでホトケノザを相手にする場合、等倍では少々倍率不足です。
そこで、テレコンやエクステを併用し、倍率を稼ぐ必要があるのですが、昨日はキャノンのクローズアップレンズ 500D を使用しました。
テレコンやエクステと違って、クローズアップレンズには露出倍数が掛からないので、高倍率撮影時には非常に有り難いのです。
CANON 500D については過去に何度か紹介していますが、このクローズアップレンズは相当優秀です。
クローズアップレンズと言うと、初心者が使うものだと言う印象から、皆さん「なんだぁ」と敬遠しがちですが、ぜひ一度お試し下さい。
こいつだけは自信を持ってお勧めできますよ~。


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【楠】 NIKON D4 / SIGMA 150mm F2.8 APO MACRO EX DG OS HSM + CANON 500D / F16(F32)・1/160 / ISO100 / NIKON R1C1 / JPEG ※後処理あり


フラッシュは、ニコン純正のツインフラッシュ R1C1 を使用することにしました。
撮るアングルによっては、クリップオンフラッシュにディフューザを噛ませても綺麗に光が回りますし、その方が運用が楽なんですが、ツインフラッシュを使いこなすことが、ワタクシの長年の課題であるのです。
・・・いつになったらマスターできるのでしょうか?(涙)

ま、そんなことは置いといて、とりあえず肩慣らしにF16(実効絞り:F32)を試しました。
このアングルだと、花の上部にはピントが当たっていて、とげ状のものがシャープに描けており、顔を覗かしているシベも被写界深度内に収まっていますが、下部の独特な花びら?はアウトフォーカスになっています。

これでも悪いことは無いのでしょうが、ワタクシはど~しても、全体にピントを当てたいのです。
だから絞り込んでフラッシュを使うのです。
「何故?」と言われても困ります。
答えはワタクシの DNA に聞いて下さい。

あ、マイクロフォーサーズやコンデジを使え、ってのはここでは無しで(笑)


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【楠】 NIKON D4 / SIGMA 150mm F2.8 APO MACRO EX DG OS HSM + CANON 500D / F22(F45)・1/160 / ISO1600 / NIKON R1C1 / JPEG ※後処理あり


アングルを変えて、レンズの最小絞り F22 で撮って、やっとこさ望んだ被写界深度が得られました。
高感度にしたこともあって、画質は相当乱れますが、ワタクシにとっては画質よりもピント範囲が命なのです。
「何故?」と言われても困ります。
答えはワタクシの亡くなったお袋に聞いて下さい。

あ、母はまだ存命であった。
お袋、すまん(爆)

ま、要するにワタクシの場合、花を綺麗に撮ると言うことよりも、花の構造への興味が先立って、人様にお見せする写真と言うより図鑑的に撮りたい、ってことなんだと思います。


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【楠】 NIKON D4 / SIGMA 150mm F2.8 APO MACRO EX DG OS HSM + CANON 500D / F11(F22)・1/160 / ISO100 / NIKON R1C1 / JPEG ※後処理あり

F11だとこんな感じ。
恐らく皆さんは、ボケ具合が良い塩梅だ、なんて仰ると思うのですが、ワタクシにはまだ絞り足りないのです。

しつこいようですが、絞る。
絞りきるのでありま~す。


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【楠】 NIKON D4 / SIGMA 150mm F2.8 APO MACRO EX DG OS HSM + CANON 500D / F22(F45)・1/160 / ISO100 / NIKON R1C1 / JPEG ※後処理あり

で、花や葉の構造にぞくぞくする、と。
我ながら、変態ですな(笑)

ところで、上のF11と比べると、写真から受ける印象が随分と違います。
絞りきった方は、一見して暗い印象ですが、よく見ると花の部分のハイライトは十分な露光量です。
この撮影条件でも、恐らくフラッシュは最大発光していません。
TTL調光が、これ以上の発光量だと被写体が明るすぎると判断したからでしょう。
実際に、花のハイライトは、白飛びする寸前です。
また、背景の暗い部分は、ツインフラッシュンの光軸から外れており、フラッシュ光は届きません。

と言うことは、これ以上フラッシュ光量を上げたとしても、背景は明るくならず、それどころか花が白飛びしてしまいます。

また、写真からは、暗い印象以上に、何と言うか、ドギツイ感じを受けると思います。
これはコントラストが高いからです。
高コントラストは、花の色が濃く出ている理由の一つにもなっています。

これはこれで、印象的な描写と言えないことはないでしょうが、もう少し自然に撮りたい場合はどうするか。
振り返って、何故このような描写になってしまったのか。
それを説明したいと思います。


撮影データを見ると、いずれもISO100で撮っています。
この写真を撮ったのは、ピーカン日和の午後三時過ぎ。
向かって右側から強い太陽が当たっているのですが、ISO100で実効絞り値F45まで絞り込めば、フラッシュなしではさすがに画像は真っ暗です。
と言うことは、露光のほとんどをフラッシュ光が担っている訳で、それが証拠にフラッシュ光が届かない背景部分は暗く落ち込んでいます。
そのためコントラストが強く出ると同時に、色的にニュートラルなフラッシュ光のせいで、冷淡な色合いになったのです。

対して上のF11の写真は、自然光成分の影響がまだ残っており、フラッシュ発光量はそれほど多くありません。
そのため、自然光による暖かみのある色合いが残っており、コントラストもより自然に近く、フラッシュ臭さが緩和された、と言う訳なんですね。

マクロ撮影でフラッシュを使用する場合、自然な描写を望むのであれば、如何にフラッシュ発光量を抑えるかが肝になります。
上で述べたこと以外にも、発光量の抑制は、近距離発光による被写体表面でのテカリを軽減することにも繋がります。

では、発光量を抑えるにはどうするか?
自然光成分を増やせば良いのです。
そう、シャッター速度を落とすか、ISO感度を上げるしかありません。

シャッター速度を落とすと、発光量が減るのは良いのですが、今度は手ブレや被写体ブレの危険が増します。
通常、フラッシュ撮影では、ほとんどブレることはありません。フラッシュの発光時間が数千~数万分の一と、とても短いからです。
ところが、露光量全体における自然光成分が占める割合が大きくなると、やはりブレの問題が出てくるかもしれない・・・
なので、シャッター速度はある程度は確保したい。
となると、ISO感度を上げるのが、現実的な解決策になるのですね~。
ワタクシが内臓フラッシュがついていない(=リモート発光用のコマンダー機能がない→クリップオンタイプのコマンダーが別途必要)D4を愛用しているのは、実は高感度に非常に強いことが理由の一つなのです。

高倍率で絞り込む場合、通常ISO100のような低感度では撮りません。
絞り込むのにしたがって、ISO感度を上げて対応します。
ISO感度を800に上げて、F22(実効絞り:F45)で撮ったのが次の写真です。


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【楠】 NIKON D4 / SIGMA 150mm F2.8 APO MACRO EX DG OS HSM + CANON 500D / F22(F45)・1/160 / ISO800 / NIKON R1C1 / RAW


ついでに、葉の色を春らしく調整してみました。
ISO100と比べると、随分描写が自然になったことがお分かり頂けたかと思います。

ちなみに、フラッシュ撮影をマニュアル露出で行う場合、シャッター速度の設定は、あまり低速でなく、かつ同調速度より遅ければ適当で構いません。
ワタクシの場合は、1/160~1/200 位が多いです。


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【楠】 NIKON D4 / SIGMA 150mm F2.8 APO MACRO EX DG OS HSM + CANON 500D / F16(F32)・1/160 / ISO400 / NIKON R1C1 / RAW ※トリミング


今回は、マニュアル露出での撮り方を説明しましたが、もちろん絞り優先AEで露出補正をしながら撮る方法もあります。
ただし、AE撮影をする場合、ニコン機では一つ注意しなければならないことがあります。
カスタムファンクションの「e4:フラッシュ使用時の露出補正」の設定内容によって、撮り方が大きく違ってきます。
この辺りについては、いずれまた説明したいと思います、多分(笑)


以上、長々と説明してきましたが、百聞は一見にしかず。
色々とご自分で楽しみながら試されるとよろしいと思います。

あ、もちろん自然光で撮るのも、それこそ自然な写りが素晴らしいと思いますし、基本の撮り方だと思います。
ただ、フィルム時代と違って、今は格段にフラッシュ撮影が簡単にできる時代ですから、自分の趣味や表現を追求する一つの手段として、もっとフラッシュを活用しても良いのではないか、と、常々思っている次第で~す。



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旧ブログ「私、ボケたくございません。」はこちら → http://minarai39.blog112.fc2.com/
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by inakichi88 | 2015-02-16 15:01 | 路傍の花
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